合同会社
会社を設立するといった場合、株式会社をイメージする人が大半ではないでしょうか。しかし、最近では合同会社という形態を選択する方も増えてきています。では、合同会社とはどのようなものなのか、メリットとデメリットをそれぞれ解説していきます。

合同会社とは
現在、日本で会社を設立する場合、株式会社・合同会社・合名会社・合資会社の4つの形態の中から選択することになります。
合同会社は、この中でも比較的新しく設けられた形態の会社で、アメリカのLLC(Limited Liability Company)をモデルに導入されたものです。
合同会社の法的性質は、間接有限責任です。これは、債権者からの請求に対して、出資額を超えて責任を負う合名会社や合資会社と異なり、出資額以上の責任を負うことはないということです。
また、金銭以外のものでも出資することができる、という特徴があります。金銭以外のものとは、技術やノウハウなどです。お金はないけれど、経営資源として出資できるものがあるという場合に用いることができます。
右のグラフは2022年のデータですが、設立された法人の約4分の1が合同会社です。この割合は増加傾向にあり、今後ますます、ニーズが高まっていくものと予想されています。

株式会社との違い
株式会社も間接有限責任という面では、合同会社と同じです。
では、具体的な違いはどこにあるのでしょうか。
所有と経営
株式会社では、実際に経営を行うのは取締役であり、出資者(株主)ではありません。株主総会で選任された取締役に経営を委任して事業をコントロールしています。これを「所有と経営の分離」といいます。
一方、合同会社では、所有と経営は分離しておらず、出資者=経営者です。
設立コスト
株式会社の設立に比べて費用を抑えることができます。
| 株式会社 | 合同会社 | |
|---|---|---|
| 収入印紙代※ | 4万円 | 4万円 |
| 定款認証手数料 | 資本金の額により3~5万円 | 0円 |
| 登録免許税 | 最低15万円 | 最低6万円 |
※電子定款で作成した場合には収入印紙が不要のため0円。
利益の分配
株式会社では、株式を取得するために出資した額に応じて株主に利益が配分されます。これに対して、合同会社では、利益の分配割合は自由に決めることができます。
複数人で設立した場合、出資比率が低い社員でも会社への貢献度によって利益配分を増やすことも可能です。
合同会社のメリット
設立費用が安い
上記のとおり、合同会社は株式会社に比べ費用を抑えて設立することができます。
手続きが簡単
合同会社の場合は、公証人と打ち合わせての定款認証といったことがないので、手続きがより簡単になっています。また、所有と経営が一致しているため、役員の選任手続きも株式会社ほど段階を踏む必要がありません。
役員の任期がない
株式会社の場合ですと、基本的に取締役が2年、監査役が4年で任期が満了します。役員の任期が満了すると再任であっても登記をしなければなりません。当然その費用も掛かります。しかし、合同会社では、役員の任期がないため、定期的に登記申請をする必要がなく、費用と手間を節約できます。
決算公告の義務がない
株式会社では、年に1回決算書を公告しなければなりません。公告するにも費用は掛かるので、合同会社はそのための費用を節約できます。
柔軟な経営が可能
株式会社では、機関設計に関して会社法で細かいルールが決められていますが、合同会社では会社法の範囲内で、自由度の高い機関設計ができます。
また、所有者=経営者なので早い意思決定が可能になります。
合同会社のデメリット
信用性が低く見られがち
増えてきているとはいえ、まだまだ認知度が低いうえ、決算公告義務もないため表面上の信用度は株式会社に劣ります。また、良くも悪くもオーナー企業と見られるため、金融機関の審査などではネックになる可能性もあります。
役員の肩書
一般に会社の社長というと代表取締役という肩書がつきます。しかし、この「代表取締役」という名称は、株式会社だけのものなのです。合同会社では、「代表社員」という名称になります。合同会社をよく知らない人からすると、どんな役職なのか伝わりづらいという難点があります。
代表取締役という肩書にこだわる方であれば、デメリットになります。
上場できない
株式上場という言葉のとおり、上場するには株式会社でなければなりません。合同会社には株式という概念がないので、上場を視野に入れているのであればお勧めできません。
主な合同会社
ここまで解説してきましたが、合同会社というと、比較的小さな会社をイメージしている方も多いと思います。しかし、実は普段よく聞くような大規模な企業も合同会社として事業を行っているのです。
以下に例を挙げますと、
- 合同会社西友
- アマゾンジャパン合同会社
- ソフトバンクグループジャパン合同会社
- ユニバーサルミュージック合同会社
- Apple Japan合同会社
- グーグル合同会社
このような名だたる大企業も実は合同会社という形態を選択しているのです。外資系の企業が日本の現地法人を設立する際に合同会社を選択している傾向が強いようです。これは、自由で迅速な意思決定を重視していることの表れだと思われます。
まとめ
合同会社についてメリット・デメリットを踏まえて解説いたしましたが、いかがでしたでしょうか。合同会社は株式会社に比べ、「費用の安さ」と「迅速な意思決定ができる事」が最大の特徴です。これから起業を考えている方はご自身の事業プランに合った会社形態を適切に選択していただきたいと思います。

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